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第74回山口大学医学祭の開催に寄せて

山口大学医学部保健学科長  野垣 宏

 

 

 第74回山口大学医学祭の開催をお慶び申し上げます。

 手元にある昨年度の医学祭のプログラムを改めて読み返しますと、終わりの部分に医学祭実行委員紹介のページがあり、非常に多くの学生がこの医学祭に実際に深く関わっていることを認識いたしました。最近のいわゆるSNSの進歩により、われわれは直接相手に会わなくても、相手と言葉を交わさなくても、 特に支障なく物事を遂行できる時代となりました。しかし、この医学祭の準備においては、もちろんSNSは活用するでしょうが、実際に仲間同志が顔を合わせ、話し合い、汗を流す場面も多くあったと思います。さらに当日は医学祭においでになる地域住民の皆様とのふれあいも経験します。このことは近い将来、医療者となる学生の皆さんにとっては、とても貴重な経験、財産であり、いつもの講義や実習では得られない大きな教育的効果をもたらすことでしょう。

 さて、今年の医学祭のテーマには「笑」という文字が含まれています。医学祭と「笑」とくれば、恒例のお笑いライブが思い浮かびます。私も学生時代、母校の医学祭で、当時まだ駆け出しだった笑福亭鶴瓶さんのライブで大笑いしたことを思い出しました。この単純な「大笑い」以外にも、様々な意味を持つ「笑」があります。今年の医学祭ではどのような「笑」を届けていただけるのか楽しみにしております。

 この原稿を書いている時に、西日本をこれまで経験したことのないような豪雨が襲い、甚大な人的、物的被害をもたらしました。今さらながら自然の猛威の前には、これまで積み上げてきた人間の叡智も打ち砕かれ、被害にあわれた方々や地域はもちろんのこと、社会全体が無力感に苛まれます。しかし、このような危機的状況から立ち上がる際に最も頼りになるのは、若者の行動力、エネルギーです。平時のみならずいざという時のためにも、学業に加え、スポーツや医学祭のようなイベントで知力、体力、精神力を養い、幅広く活躍されることを期待します。

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