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第74回山口大学医学祭に寄せて 

社団法人霜仁会会長 福本陽平

 

 今年も、恒例の山口大学医学祭が盛大に開催されることは、大変喜ばしいことです。医学部医学科と保健学科の学生さんが、一緒になってこのイベントを企画し実行して、お祭り広場でさわぎ、ロックバンドやお笑いライブで盛り上がり、医学展示では真剣に応じて、自己を見つめることも必要でしょう。また、医学祭は市民の方々との交流の場であり、健康や医療についての情報を世間に広める場でもあります。この市民の方こそ、将来、皆さんが医療者となった時に、病院や診療所などの医療現場でまみえる方なのです。この際、市民の方々との交流を一層深めて下さい。

さて、巷では世界平和が叫ばれる中で、本年6月12日、シンガポールで史上初のアメリカ合衆国と朝鮮民主主義人民共和国の両国トップによる首脳会談が開催され、特に、東アジアにおける平和と安定に大きな一歩になるとの期待が持たれています。しかし、この会談が開かれる前までは、両者は互いに「ならず者国家」だとか、「愚かで無知な国」だとか言い合って、罵り合ってきたことも事実です。これまでの両首脳の言動をみると、自尊心が過大で自己中心的であり、行動に対する責任感は薄く、慢性的な嘘に平然とし、口が達者で表面的には人を引き付ける、などの点でよく似ています。私の個人的な感想ですが、これらはパーソナリティ障害の一つであるサイコパスの特徴に類似していると思われます。

サイコパスは反社会的行動がみられる場合は厄介ですが、大企業のCEOや弁護士、ジャーナリスト、外科医といった大胆な決断をしなければならない職種に多いとも言われています。しかし、また、サイコパスが人類進化の過程で淘汰されずに生き残っているのは、人類社会の発展に必要であったのではないかという主張(中野信子;サイコパス、文春新書)があります。これまで両国の数世代の首脳が解決できなかった国際問題が、このサイコパシックな二人の登場により解決されるかもしれません。すでに、今後の問題について水面下の駆け引きが続けられており、今のところ明らかな成果は見えていませんが(H30年6月現在)、予断を許さない状況です。今後の両国の駆け引きの深まりと、周囲の動向を全く気にしないトップ二人の行動が見ものです。

今年の医学祭のテーマは「笑医ん祭!~We’re In SMILEs~」ですが、どのように盛り上がるのか、こちらも見ものです。

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